シイタケのうま味成分が「グアニル酸ナトリウム」であることがわかったのは比較的新しく一九六〇年のことで、国中明博士の研究によるものです。
グアニル酸ナトリウムの味はイノシン酸ナトリウムの味と殆ど同一ですが、呈味力はその二倍位あります。
私達のうま味の基本はコンブ、カツオ節、シイタケにあることは、日常的によく知られているところですが、それぞれの抽出された化学物質を混合すると呈味力が増加することが発見され「味の相乗作用」とよばれております。
私達は、日常的な食生活の中で、これらを単体として、あるいは組合わせて基本調味料として、長らく使用して来ている訳ですが、それが正しい方法であることが科学的に実証されたことになります。
うま味の歴史は庶民の生活の知恵から生み出された無数の創意工夫の歴史でもあります。
昆布のグルタミン酸ナトリウム、カツオ節のイノシン酸ナトリウム、シイタケのグアニル酸ナトリウム。
それら全てが日本人によって発見され工業成品化された事実の中にも、われわれ日本人の食生活の創造性と特異性を見出すことが出来、世界に誇りうるものということが出来るでしょう。
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